ひらめき体質はつくれる。伝説の名著でつかむ「言語化力」の真髄。

これまではコピーライターなど一部の職能集団が担っていた「言語化力」は、今や全てのビジネスパーソンにとって必須能力となりました。ということは、全てのコピーライターの必読書は「全てのビジネスパーソンの必読書」ともいえます。最も有名な一冊が、ジェームス・W・ヤングの「アイデアのつくり方」です。実際、SNSでの発信力の必要性もあり、発行から80年経つこの名著は今再びベストセラーになっています。

自動車を製造するように、アイデアを生産する。

この本では「フォード車を生産するようにアイデアのつくり方もプロセス化できる」として、以下5つのステップを提示しています。

ステップ①:資料集め

まずは考える素材集め。オリエン資料やターゲットユーザーの分析資料などの専門資料の収集はもちろん、直接関係のない文化・芸術など幅広い一般資料の両方をかき集めておきましょう(普段からスクラップブックなどを準備しておく)。

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ステップ②:脳内で関連付け作業を行う

次はアイデアの咀嚼の段階です。集めた資料を眺めながら、それらの情報の断片同士を脳内で自由に組み合わせてみます。

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ステップ③:いったん忘れる

脳内の関連付けが終わったら、次はアイデアの消化の段階。いったん取り組んでいる案件のことは忘れて、好きな音楽を聴いたり、映画を観たりして感性を刺激しましょう。こうすることで、胃酸が分泌されるようにアイデアの消化が進みます。

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ステップ④:訪れを待つ(アイデア誕生の瞬間)

ステップ③まで完了したら、あとはしばらく待ちましょう。お風呂に入ったり、散歩をしたり。何かをしている拍子に、アイデアは突然やってきます。

ステップ⑤:アイデアを整える

出てきた時は素晴らしいと思ったアイデアも、提案書に落とし込んでみたらそうでもなかった、ということもあります。しかし、それはアイデアの見せ方に問題がある場合が多いといいます。現実の要請や条件に合わせてアイデアをしっかり磨き上げ、整えることで産まれたてのアイデアを世に出すことができます。

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「缶詰め」にも仕込みが必要。

以前ご紹介したストーリー時代に作家の仕事術を取り入れる「缶詰めワーケーション」ですが、この本の考え方によれば缶詰めの前にアイデアの仕込みをしっかりと行う必要がありそうです。100ページ程度で1時間もあれば読める本なので、言語化力を伸ばしたい方は是非お試しあれ。

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