働き方上手さんの言語化術、今週からはいよいよ実践編。ということで、現在進めている株式会社リブレさんのコーポレートサイトの言語化について、企画の「裏話」をお伝えしていきます。3枚で1セットとなる原稿のまず1枚目となるコチラは主に建物の「外」の設計についてのこだわりを、紐解いています。
リブレの企業広告原稿 1P目/全3ページ
企画を考えるにあたって
企画にあたってまず考えたのは「思想とモノを分けて考えない」こと。ホームページでよくある「コンセプト」ページのように、概念はそれだけ切り出すと浮いてしまう。だから、あくまでプロダクトを通して思想を語る。実直に、夢や理念を語る。それを徹底すると、結果的に「差別化」にもつながります。
また、コピーを書く時に注意すべきことは、つい「っぽい言葉」を書いてしまうこと。不動産の場合、他社の事例を参考にすると「洗練の極致に住まう」のような最上級合戦になりがち。しかし、広告とはそもそも「差別化」のために打つものなので、他社と同質の「究極vs至高」対決をやっても、意味は生まれません。
「不動産広告ポエム」を脳裏から消し去り、リブレのプロダクトに宿る本質的な思想を端的に取り出すと、まずはこの言葉が出てきました。
絵画を飾るように、窓を置く。
メッセージを組み立てるにあたって、まずは淡路島に数ケ所ある「リブレタウン」を視察しました。その時一番印象に残ったのが変幻自在な「窓」の配置。淡路島の気持ちいい風景の豊かさを内部の生活空間に存分に取り込もうとする時、必然的にその外観は近隣に微笑みかけるような表情を纏うのです。
一つひとつの土地の特性に合わせて、最大限に光を採り込もうとするリブレの住宅は、一棟一棟の作りがすべてオリジナルで、家それぞれに表情が宿ります。シンプルとリズミカルが同居する家の外観デザインの秘密は、内部の採光機能を突き詰めた結果の、機能美でした。
外を歩くと所狭しと並ぶ「戸建て」の家。しかし採光・眺望を突き詰めた結果生まれる「絵画を飾るように、窓を置く。」という視点で線引きし直されたアタマで街を歩いてみると、リブレの思想が通底していない家は、どれもこれもが途端に「無表情」に見えてくるから不思議です。