現代の日本は、目下コロナ禍で長期に渡り深刻な打撃を受けている飲食・観光業の経済対策に加え、社会全体としては先進国中最低レベルの生産性を向上させる「働き方改革」。また高まる南海トラフ地震への警戒感から「東京一極集中の解消」など、いずれも重要な社会問題が複雑な糸のように絡まり合っています。
一石三鳥の妙手
複雑に絡まり合った糸も、ある一本を引き抜けばスルッとほどけることがあります。国がワーケーションに期待を注ぐのも、まさにこれらの3つの社会問題を一気に解決しうるアプローチと考えられているからのようです。
場所に縛られない働き方が定着することで、有休取得の促進など「働き方改革」を推し進めつつ、「平日の宿泊」需要を増やすことで観光業の活性化にもつながります。同時に都心ワーカーと地方との関係性が高まることで地方創生や移住の流れも促進されます。
5年で5倍の成長が期待されるワーケーション市場
こうした一石三鳥の施策としてのワーケーションは、各業界から同時に期待が集まっています。矢野経済研究所の予測によれば、2020年度に約700億円のワーケーション市場は2025年度には約3,600億円と5倍程度の急成長が見込まれており、今後ますますの盛り上がりが期待できそうです。